実践しています。

up and ups just fine

マフェトン理論を実践します。

今回、信越五岳を目指すにあたって試してみたいことがある。

意気込みとしてレースでエモい走りをしたいってことと、それを時間に置き換えた時に23時間以内を目指そうぜっていう目標はすでに綴ったとおり。
そして、本番までおよそ5ヶ月というトレーニング期間で、身体的にどんな変化が起こるのか、精神的にどう成長できるのかはすごく楽しみにしていて、変化する過程を記録したいと思っているのでブログをはじめたわけだ。

身体的・精神的のどちらも共通して、何かをはじめるときはいきなりオリジナルにジャンプアップすることは難しいから、すでにある型に沿って実践することが迷いが少なくて、遠回りだけど長い目で見れば近道になるんじゃないかと思った。型との相性や、良し悪しも含めて実践しながら学びを得るって楽しいですよね。

 

でっ、本題です。
今回、信越五岳にむけたトレーニングでは「マフェトン理論」を実践します。

ひとつは、先にも言ったように理論として提唱されているから進めやすいということ。
ひとつは、エンデュランススポーツに特化した理論なので、とりわけ行動時間が圧倒的に長く、夜通し走る100mileレースに効果が高いだろう、という予測。
もうひとつは、無理なくトレーニングを続けられるだろう、という自分の性格との相性。

この3つから、マフェトン理論を実践することに決めました。

 

マフェトン理論について要点をまとめると,,,

①設定した心拍数をもとに運動強度を管理する。
②その心拍数は有酸素運動の範囲内で保つこと。
③一定期間、有酸素運動のみを行うことで脂質をエネルギー源とする体質に転換する。

長時間動き続けるエンデュランススポーツの場合、どうやってエネルギーを確保するかが重要です。糖質から成るジェルの場合、即効性はあるけれどエネルギーとして体内に多量&長時間蓄積することができない。つまり、動き続けている限り摂取し続けなければいけないが、ジェルが取れなくなるとエネルギーが枯渇するので非常にリスクが高い。ウルトラで起こるDNFのうちの約1/3が補給によるトラブルだとも言われている。

対して、すでに蓄積されている体脂肪をエネルギーに転換できれば、糖質にたいして約7倍のエネルギーとなる。さらに、体内に蓄積できる量が限られている糖質に比べて、脂質の場合は数字上はまるごとエネルギーに転換できる力をもつ。ただし、脂質はすぐにエネルギー転換することができないので、まずは脂質をエネルギー源にする体質づくりをしなければいけない。

それがつまり①と②にあたる、有酸素運動の範囲内で設定した心拍数をベースにトレーニングを行うことで、体質を改善することができるようです。

心拍に強い負荷をかける無酸素運動の場合、即効性のある糖質を体内でエネルギーにする。この無酸素運動を行わずに、脂肪をエネルギー転換する有酸素運動だけを行うことで、長時間でも動き続けられる仕組みをつくるわけだ。結果的に、補給というリスクを下げることができる。

 

じゃあ、①でいう設定した心拍数とは何なのか。これについてはマフェトン理論で提唱されている「180公式」というもので計算することができる。しかもめちゃくちゃ簡単でわかりやすい!

これがその公式。かなりシンプル。

f:id:tomoyayazaki:20190508225905p:plain

1984年生まれで2019年現在は34歳の僕は、いまの状況をあてはめると"C"に該当する。まずは、HR146を上限に、つねに心拍数をベースにペースコントロールする。ちなみに、ペースの下限は設定からマイナス10なので136となる。越えちゃいけない、けど下限以下でも糖質にスイッチングしちゃうからいけないのだ。

そしてもうひとつだけ、トレーニングにはルールがある。

レーニングの前後15分はウォーミングアップとクールダウンにあてて、徐々に心拍を慣らしていくこと。ウォーミングアップの場合は、通常心拍からはじめて15分かけて段階的に設定した心拍数まで上げていく。トレーニングを終えるときも15分かけて段階的に心拍数を下げていく。

たとえば、1時間のトレーニングを行う場合、最初の15分は段階的なウォームアップ。僕の場合は5分間隔でペースを上げて、【スタート : 70 → 5分後 : 120 → 10分後 : 130 → 15分後 : 146】を意識している。コアタイムの30分間は心拍数が146付近になるペースを維持して、最後の15分はウォームアップと対象的に心拍数を落としていく。

これだけ。

実際に試したのがこちらのデータです。

f:id:tomoyayazaki:20190509120749p:plain



 青がペースで、赤が心拍です。やってみるとウォームアップ & クールダウンの心拍コントロールが難しい。特に、クールダウンの心拍があまりおちない。コアタイムは瞬間的に心拍上がることがあるけど、慣らしてみると140〜146あたりでしょうか。

 

このマフェトン理論には本当の狙いがる。

それは、高負荷のトレーニングから生じるオーバーワークを防いで、ケガのリスクを低下させつつ、アスリートの「健康」と「競技成績の向上」を両立させることなのだ。マフェトン理論の導入段階では、最低3〜4ヶ月続けることと、その期間は無酸素運動を行わないことを推奨している。

僕自身、目標レースを設定した瞬間からレースまでの日数をカウントダウンして、ついついプッシュしたくなるタチである。その気持は一旦おいといて、7月いっぱいまではマフェトン理論の範疇で工夫しながら、気長に取り組みたいと思います。