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up and ups just fine

父親視点の育児、次世代のための育児

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保育園で会うお父さん方と話をしていると、男性の育児・家事への自分ごと化は一昔まえよりもずいぶんと進んでいると思う。保育園の送り迎え(おもに朝の送迎)を日課としていたり、自分同様に掃除や洗濯など片付け業務を担当している方が多くいる。お迎えの担当や、日々晩御飯を作っている方には今まで会ったことはないけれど、家事全般が女性の仕事という価値観は、少なくとも同世代の男性陣から感じることはほとんどなくなった。

まぁ、それ当たり前の話ですけどね。

本来、夫婦にとって二人の子どもなんだから、50-50が健全なかたちだと思っている。送り迎えをしているだけで、育児への参画と語るのは自分の感覚としては恥ずかしすぎて気が引ける。業務の分担としてきっちりと半々であるべきという話ではなく、”機会”として半々である状態を目指すのが理想だと思っている。例えば、保育園は毎朝、父親が送迎、母親は夕方のお迎え。これは業務区分としては同じでも、”機会”としては不公平じゃないか。母親は帰ってから家事・育児が続く傍ら、男性は寄り道をする選択肢をもっている。共働きであれば、残業を含めて職場や同僚との調整が必要なのは同じ条件。それを女性側だけにさせているのは申し訳ないと思っている。そんな我が家も当初はこんな感じだったところから、最近では僕が週3の保育園送迎と、週2のお迎えプラス晩御飯を担当している。それでやっている気になるからよく喧嘩になっていた。育休中にあれこれしていると、目に見えない家事が多いことを知って、これまでの態度に反省したわけだ。

世間一般で言う平均値ってものがあったなら、自分がどこに位置するかはさて置き、個人としても社会としてももっと理解を高めないと女性の社会進出ってのは建前にしかならないと実感する。”公平性”について男性側が意識を改めないと、制度だけ生まれて運用されずに片隅に追いやられるんだろう。

 

制度があるからこそ生まれる機会があることも事実で、はじめはゆっくりでも転がりだしたボールは弾みをつけて進んでいくこともある。北欧諸国がジェンダーイクオリティの先進国であることは説明不要なわけだけど、例えばノルウェーで言えばクオーター制(公的委員会・審議会は4名以上で構成される場合、一方の性 が 全体の40%を下回ってはならない)が義務化されている。性別じゃなく実力で登用すべきという意見はよく耳にするけど、これは制度設計やら社会背景を含めた整備が済んでから発する意見であるべきだと思っている。自分は、法律によってフレームを整備して、その上で意識や慣習をふくめたアファーマティブアクションが必要だと考えている。それだけ、法律の強制力は強い。

 

なんだか本題から逸れてきたので父親視点の育児に戻ろう。

理想としては50-50でありたいし、自分としては目指している。それは育児休業を取るというのもひとつの態度というつもりだった。妻は(希望もあって)年度内の育休をとっているので、現実的にはフィフティ・フィフティではないんだけど、可能な限り取得することは今回の挑戦だった。まず、今回は二人目ということで、一人目のケアをどうする問題があった。出産直後の妻が二人の面倒をみることは不可能だったので、そこに自分が関わるということ。次に、我が家は両親が遠方で、かつコロナ禍で助っ人がいないことが見えていたから、自立した育児をせざる負えなかった。もうひとつは家族全員で感染リスクを下げることが絶対だった。それは当然いのちに関わるから。出産予定日が近づき、具体的な計画を立てていくと育休は必須としか言えなかった。

同僚の協力があって、期間中は家族にとって穏やかな時間になった。育休経験者になって思うことは必須か不要かに関わらず、制度として義務にすべきだと思う。何ものにも代えがたい尊さがあるからであり、家族にとって必要不可欠な時間だと身にしみたからだ。日々一緒にいることで乳児の成長のはやさを実感する。この一瞬が現在進行系で失われて、現在進行系で成長している様子を肌で感じる。もちろん、人によって様々だという意見は理解するし、現制度では経済的なマイナスが生じるのですべての人が喜んで取得できるとは限らない。だからこそ、制度を整える必要がある。少なくても、個々の事情や環境で、取りたくても我慢しなくちゃいけない人のセーフティネットは強化すべきだ。

「育休取れていい会社ですね」と、おもに年上の男性から言われた。ほぼすべての方に言われた中で、ひとり同世代の男性からは「2ヶ月じゃ足りないですよね!」と言われて気持ちが楽になったことがある。ホントにそうなんですよ、わかりますよね。先輩男性陣からの言葉にはどこか、育児は女性が担うものという認識が見え隠れする。その時代はそれがベターだったのかもしれない。でも今は違う、そしてこれからは更に変わる。

言葉にすると高尚に聞こえるけど、態度で示したいことがあった。それは制度を利用することで、制度を肯定すること。現在の自分の選択が、未来のお父さん・或いはお母さんになる人の支えになること。

これから父親、或いは母親になる世代に対して、経験者として語りたいし、背中を押したいと思っている。育休が当たり前の制度になっていて欲しいし、それは現役世代の自分たちがとるべきアクションだと思っている。

育児に限らず、年配世代に対してサンキューブーマーという思いを一部で懐きつつ、自分自身がブーマーにならないように、最近は意識的に下の世代のことも考えている。