実践しています。

up and ups just fine

周期、怪我、補給。

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同じ練習を繰り返しても飽きない、むしろ好き。同じアクションの中にある差異を探し出して効果や改善点を検証する。身体への負荷を考えると良いとは言い切れないアプローチだが、変数を絞ることで、成果を検証するための精度があがる。感覚的なトレーニングが好きな人はそうすればいいと思うが、自分は思考するやり方があっている。迷いが少なく、それによってストレスも少ない。何事も続けることが一番難しいと言うだけに、トレーニングにおいても続けるための方法を確立していくことが一番なはずだ。

「継続」この言葉の中には”運動”としての意味合いもあれば、”健康”という要素もある。”仕事”もあれば”家庭”も含まれる。1日24時間、1週間168時間の中でトレーニングに割ける時間は限られている。時間あたりの効果を高めるために、極力ベストな状態でトレーニング時間を迎えたいと思うようになったのは去年の後半あたりから。今まではトレーニングの内容そのものを考えることが多かったが、最近ではトレーニングの前後、あるいは本番から逆算して現在あるべきフィットネスレベルを考えるように変化してきた。細かいところを気にしたからといってパフォーマンスが上がるわけではないが、僕の場合は細部を観察することでかえってストレスが減ったり、深堀りする面白さが増すのである。今日はそのことについていくつか書き留めておく。

 

 

- 周期 -

去年も・今年も、昨日も・明日も、トレーニングを組み立てる時にはいつもマフェトン理論が自分の中のゼロポイントになっている。今現在、マフェトン理論からは離れているが、現在地はゼロポイントからの延長線にある。心拍を基準に効果を検証してトレーニングアプローチを組み立てる。この繰り返しをすることで、主観の域であったとしてもひとつの知見として積み上げていく。そして、変数を少なくすることで細部に目が届くようになる。あるいは振り返った時に変化の輪郭を捉えることができる。そのひとつが”周期”だ。

ピリオダイゼーションとは別の話として、心身のバイオリズムにも一定の周期があることに気づいた。思い返せば2回、どちらも同じような理由で停滞した感がある。最初に停滞を感じたのは2020年6月、2度目の停滞は今年の1月、どちらもトリガーになったのは季節の変化と疲労だったと思う。

6月は暑さへの順応ができておらず、走るたびに疲労が蓄積した。特にこの頃は通勤ランがメインだったので、回復までのサイクルがまばらだった。これもミクロ単位で周期の話になるが、この時の反省からワークアウトの間隔には気をつけるようにしている。例えば、昨日は朝走って、今日は夜走って、明日は朝走る、これだとランの間隔が12時間と36時間で不規則になる。最近では走る時間帯は仕事前の朝時間に統一したり、あえてこのギャップを利用して負荷を分散している。あるいは、5日続けてトレーニングして、2日続けて休むことも試した。この場合、実質72時間の間隔が生まれる。トレーニング内容や強度によって良し悪しはあるものの、

周期に関してもう一点。停滞感が生まれる6ヶ月間隔。季節や疲労の影響以外で考えられることとして”マンネリ”は大きいように思う。基本的には大きなコンセプトは変えずに、極力少ない変数を操作するトレーニングをしている。例えば、マフェトン理論をベースにしながらも、週1でインターバルを加えるとする。インターバルのスピードを月単位で上げながら、インターバルそのものの効果を検証するのが自分の方法だ。はじめて1〜3ヶ月ほどは身体を慣らすこと、ルーティンを整えることに時間を使い、4〜5ヶ月目で効果を実感するようになってくる。同時にこの延長線では頭打ちになってくる感がでてきたり、アプローチを大きく変える必要性もでてくる。ここに疲労が重なり、”マンネリ”がアプローチそのものの停滞感につながる。

幸い、停滞を逆手に思い切ってアプローチを大きく見直すことができた。去年の6月はMAFペースを上げることで、今年の1月からはトレッドミルを導入したことでモチベーションは高まった。今現在はUTMFにむけて絶賛仕上げ中というところ。UTMFが終わったら一度ゆっくり休んで、大きく変化させていく予定である。

 

 

- 怪我 -

マフェトン理論のメリットとして怪我のリスクが少ないことは間違いない。同じ運動の反復なので負荷が一部に集中することに注意が必要だが、速く走ることがない分筋肉系のトラブルは圧倒的に少ない。また、強度が低いので適切な休息をとれば疲労が蓄積する心配も少ないはずだ。エアロビックペースのみを厳密に守っていれば段階的に距離を伸ばすことは可能で、例えそれが週末にback to backで3時間走をしても、自分の場合は距離への耐性が生まれた。

逆に、マフェトン理論を再構築しようとアプローチを変えた時は怪我の気配が忍び寄った。最初に感じたのはインターバルトレーニングをはじめて数ヶ月経った頃。3:20/kmペースで速度に対して頭打ちなった時、苦しさとともにフォームの崩れを感じた。あるいは昨年の秋口、MAF+10で常時走っていた頃。特に、早朝の心拍が上がらないなかで無理に設定心拍まで持っていこうとした時に、同じようにフォームが崩れていった。バランスが崩れると怪我は一瞬で距離を縮めてくる。

MAF+10、自分の場合は155bpmとなる。毎日このペースだけで走っていた頃もギリギリのやりくりだった。帰宅ランで家についた瞬間に疲れがこみ上げる。疲労に対して回復が追いついていないのは明らかで、だんだんとシンスプリントが張っていく気配がした。幸い、どちらも怪我ではなく疲労の範囲でやりくりができた。

逆に気配はなかったけど、気づいたら捕らえられたのが昨年12月。トレイルを走っている瞬間に左足の甲に鈍い痛みがあった。だんだんと強くなり、その日は念の為予定していた工程の1/3で止めた。家に帰ると痛む部分が腫れている。突発的な怪我の一種だった。オンライン診療で処方されたロキソニンテープを張っていたら治ったが、そこからバランスが崩れた。年末には股関節の筋肉が攣る感じがあったり、左膝の膝蓋骨に鈍い痛みが続いている。1月には右足の腸脛が黄色信号になってきたので、念の為トレーニングメニュを抑えた。結局、2月いっぱいは予定していたトレーニングができず、軽いリハビリ状態となった。今現在は復調している。UTMFにむけてどこまで追い込めるか。心配はしながらも強度をあげるつもりだ。

ひとつは強度が原因で発生した問題であることに間違いない。同時に、季節の変わり目、特に冬期のトレーニングは慎重になることを覚えた。心拍的に走りやすいが、筋肉や関節への負荷は上がることがわかった。

結局、これも周期に関連する話なのである。季節の影響で身体のバイオリズムは変化する。フィジカルのトラブルはメンタルにも影響する。身体と心がともに停滞したのが1月のこと。もちろん、3月現在は上り調子でUTMFにピークをあわせている。

 

 

- 補給 -

レースの補給についてはトレイルに行くたびにいろんなバリエーションを試している。最近落ち着いたところでは1時間にジェルを1本+胃を動かすために固形物を定期的に補給する。以前はあまり水分補給をしなかったけど、最近では意識的に水分+電解質も摂っている。

ここではレース中の補給ではなく、日々のトレーニングについての話。これは周期や怪我に関連する話だから。結局、日々の練習という点が線として繋がれることで疲労として現れ、線が波形となって周期に変換されるイメージがある。結局、1度の練習・1度の補給・1度の回復の繰り返しだから。

最近はいい塩梅で1度のトレーニングを終えるように意識している。特にトレイルの場合、無意識的にでも疲労をためると後日予定していたトレーニングまでに回復が追いつかない場合がある。筋肉痛なら2日程度で治っても、心肺の疲労はさらに数日かかる。トレーニングのボリュームが週単位で狙った通りに運べるように意識している。その意味で、トレーニング中の疲労は翌日に持ち越さないように、練習の最中から意識するようになった。簡単に言えば、補給を怠ったことにより生じる無駄な疲労を極力避けるように注意するようになった。

例えば、週末の変化走をする場合、無補給でも30km走れるが翌日に疲労が繰越がちだ。これを10kmごとにジェルを摂ることで疲労度合いがだいぶ緩和される。あるいは、最近ジムで走ることが多いが1時間で500mlは水を飲み、30分に一回は塩熱サプリを摂っている。どこまで効果があるかわからないが、これも無駄な疲労を避けるためと、本番を想定したトレーニングだと考えている。

こうやって細かな部分を観察することが好きな訳だが、トレーニングが早朝に移った時期から色々と気を配るようになった。というのも、あまりに早朝にしか走れない状況となり、それに合わせて就寝時間も22時頃に変えている。比較的夜型の自分としてはなかなか無理をしたスケジュールだ。とは言え、使える時間帯で練習をするしかないので、早朝に良い状態を迎えられるように細部を見直すようになった。相変わらず早起きは苦手だけれど、最適化することそのものを楽しんでいる。