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up and ups just fine

育児・家事のあれこれ

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今年の夏は雨の日が多かった。梅雨が長く、その間はずっと雨。洗濯物を外に干すことができず、せっかくベランダがある広い家に越したのに、乾燥機と部屋干し続きだった。梅雨があけても雨が続いて、たまに晴れたと思ったら蒸し暑く、そしてまた雨に戻る。そんな夏だった。いま住んでいる高尾は、東京都ながらマイクロクライメイトを肌で感じる地域だ。僕が山側に住んでいることもあり、真夏の日中は暑くても日が沈むと涼しくなり、夜は肌寒い日もあるくらいだ。この夏、エアコンをつけて寝たのは3回くらい。それも、途中で消さないと寒くて夏風邪を引きそうになる。山間のせいか、湿気が多くてカビには細心の注意を払わないとすぐに匂いが漂う。そこが難点だけど、東京の蒸し暑さを回避できるという意味では良い場所だ。

ただし、どこもかしこも同じ気候じゃないところが面白い。駅方向に500mも進むと、ある場所を境に暑さが強くなる。さらに、狭間や西八王子方向だとまた違った気候なんだろう。京王線高尾駅ホームから山間部を眺めると、朝は靄がかかっている。あの蒸気がそのまま我が家を包んでいると想像すると、この涼しさとカビの発生にも納得する。

 

今年は夏のすべてを家で過ごした。文字通りにすべて、一日のたいはんを、週のたいはんを、一ヶ月のすべてを家で過ごした。2ヶ月の育児休業を取得して、毎日が育児・家事に専念したから、外出する必要がなかった。結果から言えば、取得して良かったの一言。毎日、四六時中一緒にいられることで、乳幼児の成長のはやさを実感した。産まれた瞬間にあった繊細さや脆さも、1ヶ月もすると肉体から意思を感じ、2ヶ月立つ頃には反応もするようになってくる。一人目の時は里帰りだったのでほとんど一緒にいなかったから、この変化を今回はじめて目の当たりにした。泣き出せた呼ばれたような気がしてすぐに向かって抱く。寝ているあいだは眺めているだけで穏やかな気持になる。だんだんと反応するようになって、声を聞くだけで会話をしているつもりになる。

一週間を過ぎた頃から吐き戻しが多くなり、一日中抱いていないと心配な時期があった。僕がソファに寝そべり、子どもをうつ伏せにして胸元で抱いていると勝手に寝ることが多かった。寝息が間近で聞こえるその瞬間は、自分の人生にとってもこれが最後になるんだろうなと思いながら過ごした。夜中も眠れない日が続いた。寝たと思ってそっと布団におくとすぐに目が覚める。具合良く布団で寝ていても吐かないか心配で自分は眠れない。結局、隣に布団を敷いて、寝ている子どもを眺めながら本を読んで過ごした。

 

前々から料理を作ることは好きだけど、偏食気味の自分はパスタばっかり作る。スパゲティー、フスィリ、ファルファーレ、コンキリエリガーテ、ペンネと何でも使う。パスタにあったソースと、相性のいい具材を選ぶ。具材そのものがソースになるように、野菜の切り方はその時々で工夫する。週に1回の料理であれば家族も喜んでくれたけど、毎日パスタは勘弁して欲しいと言われいたので、育休中は意識的に家庭料理を作った。

新居がガスコンロなので、前の家では使えなかった無水鍋を取り出して、ご飯を炊いた。炊飯器で炊くよりも硬さがあって気に入った。さつまいもや枝豆を入れるだけでバリエーションが増えるのも楽しみのひとつだった。近所のスーパーで1週間分の野菜と、数日分の生鮮食品を買い込む。買い物をした初日は魚、二日目は肉と、週単位で献立を考えるのも楽しい。ストックのすべてを把握していると、スケジューリングもしやすい。同時に、無意識的な家事は多いことに気づく。調味料の残量、冷蔵庫の中を把握して、何をいつ買うか考える。掃除機をかけたり、洗濯を干すようなアクションはないけど、カウントされない家事の大変さを当事者になって理解する。

 

長女の保育園は毎日送り迎えをした。引越し、出産とイベントが続いて彼女も難しい時期を過ごした。特に、長く通っていた大好きな保育園を離れて、新しい環境に馴染むまでは苦労した。子どもはすぐに慣れると言うけど、当然それぞれのペースがある。親として眺めていても、同じ認可保育園でも特徴が違うことがよくわかる。以前通っていた園は子どものやりたいことを優先させる。迎えに行くと、おもちゃで遊んでいる子もいれば、ひとりで絵を描いている子もいる。年配の先生と工作をしている子もいて、自分の子どもも勝手に手先が器用になっていった。学習させる意図は感じず、良い意味で預かっているだけとうい姿勢は安心感があった。新しい園はプレスクールという意味合いが強く、集団生活や規則を重視している。遊び方、遊ぶものをみても同じようで違いがある。

毎日通っているとママ友が多くできた。立ち話をしたり、小学校にむけた情報収集をしている。みなさん気さくでラフなところは土地柄なんだろうか。スーツの人、忙しない人をあまり見かけない。同じ時期に転入したファミリーと仲良くなって、週末に川まで散策に行く日があった。親同士、子同士、ゆっくり話したり、はしゃいだりといい時間だった。

帰り道に初沢山に登る日もあった。遠回りをしたり、まっすぐ山頂にのぼって、下りは二人で駆け下りる。身体の使い方を褒めると嬉しそうで、また明日も行くと言う。子どもが早起きした日は少し離れた公園まで車でいって遊んだり、雨が降る朝はレインウェアを着て散歩をした。育休だからこそできる、日常のなかの幸せを満喫した。