実践しています。

up and ups just fine

同じような事だけど、単位をかえて再構築する。

f:id:tomoyayazaki:20191118204441j:image

 

MAFトレーニングはじめの1ヶ月は怪我がないように短い距離だけど、走る回数を増やすことで、1ヶ月の運度強度を確保した。もう一つ狙いがあって、それは走る習慣を身につけることだった。それくらい、僕は普段ロードを走らないタチなのであった。

今はどうかと言うと、1ヶ月目の狙いが功を奏して大会が終わった後も次の目標に向かって一定量運度している。端的に言うと、ロードを走ることに抵抗がなくなったし、むしろ好きになった。なんならロードの時間走に対する心理的ハードルもだいぶ下がった。

 

自分にはまだまだロードで開発できる領域が無限にあると実感しているし、それを得た上でなければ大きな目標に届かないことも実感している。ゆっくり、あせらず、課題に取り組んで、自信を積み上げていきたい。

 

さて、この「自信」ですが、僕はスピードを上げることが自信につながると思ったのが、信越を終えてわりとすぐの頃。そのマイルストンとして、目先の目標をフルマラソンで2:50切に設定したわけだ。

 

じっさい、いまもその目標にむかって取り組んでいる。が、取り組むにあたって少しずつ課題が認識できてきた。そして、当初考えていたアプローチと違った方法をとるべきだと実感しているのが、ここ最近の心境です。

 

順番に整理していく。

僕のMAFペースは146bpmで4:30/kmがベストです。信越を終えて1ヶ月は完全休養をとっていたので、練習を再開した10月後半には4:40/km前後まで、MAFペースは後退している実感です。とは言え、練習すればすぐに戻るだろうし、4:15/kmのペース走は射程圏内だと想定していた。

が、これが間違いのはじまりで、訂正していくのになんだかんだ1ヶ月近くかかった。

 

まず、トレーニング内容を転換した当初は4:15/kmを5km維持するのもきつかった。何がキツイって息はあがるし、何より身体が重くて仕方ない。このスピードを維持しようとすると下半身、特に脛まわりの筋肉への負担が強く感じた。

あぁ、自分はまだスピードに慣れる身体ができていないのかと思いつつ、こういう時は一旦馴染みのMAFペースに戻して、状況を整理する。

そうすると少しずつ見えてくるものがある。

MAFの場合、ペースを上げないので接地時間は比較的長く、ミッドフットからつま先にかけて緩やかに重心を移動する。ストライドは狭く、その分ピッチを刻むのが自分のケースだ。

 

同じ走りで4:15/kmのスピードを出すと、スピードの分ストライドは広がる。そのまま同じように接地すると、スピードを殺してしまい、かつ反動が脛周りにやってくる感じがして結果、筋肉への疲労につながっていった。

そこで、腰の位置を高く保つことを意識する。その分、ストライドは自然と広がり、接地時は体重を移動させるというよりは、反発を利用して推進するようになっていった。

 

フォームの転換を意識してから、スピードに対して感じた身体の負担はだいぶ減った。膝から下はリラックスして、瞬間的な地面とのコンタクトだけを意識する。それに慣れてくると、今度は少しずつ上体の位置や、腰の回転、膝が上がる角度を意識しはじめる。たとえMAFで走る日でも、フォームはスピードを出して走るケースを意識する。

 

そうこうするうちに、身体は慣れ始めてきた。そして、本当の壁が見えてきた。

身体が得た自由度に比べ、呼吸はあがって心拍が保てない。

そう、おそらく今の自分の課題はスピードに対して心肺機能がついてきていないこと。

このことに気づいた時は少なからずショックだった。同時に、MAFとは特異性のあるトレーニングだということを身を持って実感した。

そして、ここからスピード練習をするにあたり、考え方を再構築する必要を感じた。

 

振り返るけど、僕はフルマラソンをプライオリティにしていない。

2:50はあくまでマイルストンなのである。それはウルトラトレイルを走るために、自分のMAFに磨きをかけることがそもそもの目標だったわけだ。

そのために、ベースの心拍ゾーンを底上げしたいので、結果フルマラソンという尺をつかって目標設定したわけだ。

 

さて、誰もが知っての通り、フルマラソンは42.195kmという万国共通の距離を、いかに速く走るかが醍醐味な種目なのである。つまり、単位はシンプルに「速さ」だ。

僕はフルマラソンをマイルストンにした途端、4:00/kmの速度42.195kmのあいだ保つための身体作りに励みはじめた。

かたや、ウルトラトレイル、とりわけ100マイルレースの場合、僕は心拍をベースに負荷を測る。そして、心拍の基準値を高めていきたいというのが狙いだ。

これは同じようでいて、練習のアプローチが結構違うことに気づいた。

 

まずスピードに慣れないことには話にならないのはどちらも同じだ。ただ、同じ4:00/kmという速度でも落とし込む先は2時間50分維持するという「時間」が単位なのではなく、4:00/km出したときの「心拍ゾーン」を変えていくことを狙いにした方が、本質的な目標にそっているはずだ。

 

今現在は4:15/km(サブ3ペース)をものさしに練習しているが、このスピードをZONE3で維持することが当面の目標です。

そして4:00/kmをZONE4で維持することがその先の目標です。

 

フルマラソンを2:50で走れる走力がつけば、いま自分が言ったことは結果的に同じことなのかもしれない。でも、過程が目標にすり替わらないように気をつけないといけない。

 

同じような事だけど、単位をかえて再構築することで、長期的な目標にむけてのピントが少しだけ定まった感じがしてきた。

 

MAFからの転換期、これもまた発見が多くて楽しみが続くのです。