実践しています。

up and ups just fine

月末・月初はいつも迷う

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トラックが遠い

1ヶ月は同じメニューを運用しているので、月末の定例タイムトライアルの結果を参考にしつつ、肉体的な直感で翌月をどんなテーマで挑むかはいつも迷うところである。

特にこの迷いが最近は加速している実感が、実はある。だからと言って弱気であるというネガティブな話題ではない。

正直、マフェトン理論を忠実に実践している時は楽だった。理論に従う、それだけでいいからだ。理論の範囲で自分の肉体と相談して、どれだけ回数を増やすか、距離を伸ばすかという時間方向だけを考えておけばいいから、こんなにシンプルなことはない。

年末まではMAFをベースにしながら、ポイント練習という強度のものさしがどう効果を発揮するかを検証するだけでよかった。言わば、これもMAFの応用だったのだ。

 

それがここ最近はそうシンプルではいかなくなった。

まず、MAFとは時間を費やすことでゆるやかに成長曲線をカーブさせていくメソッドだということが、自分のなかで結論づいたこと。これ以上、バリエーションを変えてポイントを探ってもマフェトン理論をもとにしたアプローチでは大幅な改善方法はないと結論を出した以上、快適なマフェトン理論をいったん離れて、本当の意味で自分自身で考え、実践し、理論立てていく必要があるからだ。そこには当然、進むべきか保つべきか、右に行くか左を選ぶか、常に試行錯誤が生じる。いまここ。

 

つぎに、HIITとして取り組んだヤッソ800のペースが頭打ちになったこと。3:30/kmまではやっていくうちに慣れたけど、3:20/kmにペースアップしてからは正直慣れる気がしない。5本走るのが精一杯だ。恐らく、3:20/kmを今までと同じように毎週走ることで抗体を得られることはない、少なくともいままで以上に時間をかけないと、3:20/kmペースで10本走ることは今の自分にできないだろう。

HIITを導入した時は迷いはなかった。ただ、高強度の練習がMAFにどう効果を生むか、その一点を注視すればいいだけだったからだ。HIITをヤッソ800としたのも、近所で走りやすい環境があったという理由だけだ。上手くはまったから、HIITの内容はかえずここまでやってきた。

その上で今生じてる迷い。それはこのまま3:20/kmペースでヤッソ800を続けるべきか。あるいは1000mレペティションにメニューを変えて、ヤッソ800をクリアするための土台作りに励むべきか。

 

そもそも、MAFとはどれだけ時間をかけるかという"量"を単位にするタイムライン的な考え方なので横軸に推移する。対してHIITはMAFの成長曲線をどう引き上げるかという"質"の問題で、こちらは縦軸にあたると捉えている。

今回、ヤッソ800という質の投与がいったん頭打ちになった。じゃあ次にどうする?という話になる。同じ基軸のままに"質"を上げるならヤッソ800を地道に継続するか、あるいは一度レペティションを挟んで、課題解決のための下準備に取り掛かるだろう。

ただ、こっち側にもっていかなかった事には理由がある。一番はレペティションまで因数分解してしまうと、もはや練習のための練習になってしまうからだ。ヤッソ800クリアのためには確実な効果があるとわかっていても、それはMAFを改善するための手段であってウルトラディスタンスのパフォーマンス向上という目的には投資対効果が低いように感じるからだ。これがフルマラソンのPB更新なら間違いなくレペティションだろうが、ウルトラのためにならば少なくとも今じゃない。もっと効果の高い練習に乗り換えた方が今の自分にはリターンが大きいように思うことが理由だ。

こんな具合に毎月テーマにそった"質"の選択を迫られる。それは迷うわけだ。セルフコーチングは難しい。

 

そしてもうひとつ。取捨選択を迫られるのは"質"だけじゃない。時間配分という"量"のベクトルにも選択は生まれる。3月はMAFからいったん離れた。厳密にはリカバリーランはMAFだけれど、メインのトレーニングは中高強度ペースで走っている。つまり"質"の内容が変化してさらに"質の回数"も増えたわけだ。MAFと同じように毎日同じペースでは身体が持たない。つまり休息日が増えた。

 

さてここで疑問が生まれます。

1. 週に7回、MAFペースで走って合計20時間

2. 週に5回をMAFと、週に1回のHIITで合計15時間

3. 週に4回の中高強度のみで合計8時間

はたして、どの時間配分が週あたりの効果は大きいでしょうか?

 

数字でみると3番ではない気がする。でも今の自分は3番を実践している。

つまり、質と量はトレードオフで、すべてをカバーすることはできない。質を極端にあげていけば量は下がっていく。縦軸と横軸のバランスの中で最適な配分をみつけることが、トレーニング効果を高める方法だと思う。

将来的には1に進むと決めている。気持ちとしては2を選びたい。でもそれはいつでもできるはず。という訳で4月も極端なアプローチの3を選んだ。

こうやって、効果の検証と、肉体の声、ときに大胆な転換も選択肢にいれて、月のメニューを決める。そりゃ迷うよ。

でもそれが愉しい。その先にある何かは試した先にしか触れられない。

ということで4月も走り続ける。