実践しています。

up and ups just fine

Hello world

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この夏、無事に元気な男の子が産まれた。

我が家にとっては2021年のメインイベントであり、新生活のスタートラインである。父側の視点で振り返ると、今回が二人目なので気負うことなく当日まで落ち着いていたつもりだ。とにかく、やるべきことはたったひとつでウィルスに感染しないこと。外出は必要最低限、食事や旅行に行くこともなく、粛々と過ごしてきた。当初通院してた病院でクラスターが発生し転院、次の病院は引越しで遠くなってしまうので再転院。2回の転院、出産前の引越し、長女の保育園転園と、環境が変わって負担をかけることになったけど、新しい家族を迎え入れる前にするべき準備はなんとか間に合った。

それはあくまで男性視点であって、日々のトレーニング、大会の中止・他の大会へのエントリー、転院、引越しと目まぐるしく環境がかわった妊娠中の妻にとってはたまったもんじゃなかっただろう。日々、自分の身体が変化していく女性にとっては”現在”がすべてだと思うし、予定日からの逆算しかできない男性にとっては”未来”に対しての準備が仕事という感覚だった。

さいわい、一人だけという条件付きで立ち会い出産ができる病院で、当日は一緒に新しい命が誕生する瞬間を目にすることができた。深夜、携帯に電話がかかってきて、「そろそろ産まれるのですぐに来てください」と告げられ、車で20分かかる病院まですぐに向かった。着いて一旦病室で待機するも、なかなか呼ばれない。「もう少しかかるので寝てていいですよ」と助産師に言われて妻のベットで一眠りする。1時間くらい過ぎたころに、呼び出しがかかりいよいよ分娩室前で待機。そこから5分で入室許可が出て、入ったと同時に産まれた。深夜のクリニックに、産まれたて赤ちゃん特有の泣き声が響いて、安堵と同時に父親になった実感がわいてくる。妻の顔色も良く、まずは母子ともに無事であることに安心した。赤ちゃんはすぐに新生児用ベッドに移されて、自分は窓越しに顔を眺める。ついさっきまでいたお腹の中と、いまいる世界じゃ感覚は違うのかな。

一人目の子どもとはまた違った、喜びとどことなく浮遊したような心境で、真っ暗な夜道を運転して家まで帰る。

帰宅して仮眠をとって、いつもどおりの時間にあえて起きた。今はまだ3人家族のような気分で、母子が帰ってきたら新しい家族としての本番がはじまる。これからお姉さんになる長女と、サポートに来てくれた母へのリフレッシュのつもりで、その日は思いつきで甲府に行くことにした。好きなカフェでブレイクしてから武田神社でお参り。その後、温泉に入って帰宅。数年後、もしくは十数年後、この日のことを各々どんな記憶をもっているのかな。産まれた瞬間の泣き声と、帰りの車で聴いていたTyler The Creatorの曲のことは自分の耳に残っているんだろうか。